ISO 15118はEV充電のセキュリティを確保するのに十分か?

2025年10月8日
VicOne
ISO 15118はEV充電のセキュリティを確保するのに十分か?

電気自動車(EV)の急速な普及は、モビリティを変革するだけでなく、よりクリーンで持続可能な未来への移行を加速させています。しかし、この成長は新たな課題ももたらします。2040年までに、世界の道路を走るEVは6億台を超えると予測されており、この急増は電力網に前例のない負荷をかけることになります。

この変化に対応するため、国際標準化機構(ISO)はISO 15118を導入しました。この規格は、スマート充電や車両から電力網への通信(V2G)といった技術革新を可能にするものです。これらの機能は、電力網の負荷軽減に寄与し、EV充電をより円滑で安全、かつユーザーフレンドリーなものにすることを約束します。


図1. 2014年に公開されたISO 15118-2は、スマート充電、プラグ&チャージ、暗号化通信といった革新技術を導入しました

図1. 2014年に公開されたISO 15118-2は、スマート充電、プラグ&チャージ、暗号化通信といった革新技術を導入した


ISO 15118のセキュリティ強化点と盲点

ホワイトペーパー「充電のセキュリティ確保:ISO 15118に潜むリスク」では、EV充電のセキュリティ確保には単なる規格準拠以上の対策が必要な理由を説明しています。本ホワイトペーパーでは、ISO 15118について、以下のように説明しています。

  • ISO 15118は、EVと充電ステーション間の通信を保護し、機密性の高い操作をステーションからe-モビリティサービスプロバイダー(eMSP)に移管することでEV充電エコシステムのセキュリティを強化します
  • ISO 15118は、長年のサイバーセキュリティ上の課題を複数解決する一方で、一部のリスクは未解決のまま残され、新たな脆弱性が導入される恐れもあります
  • 充電ステーションはEV充電エコシステムにおいて最も脆弱な構成要素のひとつであり続けています。これらの弱点は、ISO 15118が提供しようとするセキュリティそのものを損なう危険性があります
  • 強固なセキュリティの確保には、自動車メーカー(OEM)、充電ステーションメーカーから電力系統運用者、eMSP(電気自動車サービスプロバイダー)に至るまで、複数のステークホルダーが連携した多角的なアプローチが必要であり、より安全で強靭なEV充電インフラの構築が求められます

これらのより詳しい内容については、トレンドマイクロFTRリサーチのSalvatore Gariuolo、Rainer Vosseler共著によるホワイトペーパー「充電のセキュリティ確保:ISO 15118に潜むリスク」をダウンロードしてください。


「充電のセキュリティ確保:ISO 15118に潜むリスク」をダウンロードする

リソースからもっと知る

自動車サイバーセキュリティの理解を深める

ブログを読む

自動車業界のお客さまのサイバーセキュリティを加速させるために

デモの依頼